SSTバックヤード

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新卒教育のふりかえりで利用している4Lモデルのご紹介

こんにちは。新卒教育の担当2年目を迎えたくろきです。SSTでの新卒教育はもちろん初めてのこと。そんな私にとって「振り返り」フェーズはかなり重要なものでした。

今回は新卒教育期間中に利用した4Lモデルという振り返りのフレームワークについて、ご紹介したいと思います。

はじめに

今回ご紹介する4Lモデルは、「くろきが個人的に新卒教育の振り返りに求めた効果を、一番発揮できる可能性がある」と判断した上で利用をスタートしたものです。 よって、各フレームワークの優劣をつけるようなものではありません。 「こんな目的のときには、こんなフレームワークを利用するといいかもよ?」という気持ちでご紹介しますので、振り返りの一つのパターンとして皆さんの参考になれば幸いです。

また、4Lモデルを使うきっかけについての話が想定以上に長くなってしまいました。

4Lモデルのメリット・デメリットをさくっと確認したい方は、「前提」と「4Lモデルとは」をご確認された後「4Lモデルのいいところと注意点」からご覧になることをお勧めします!笑

前提

4Lモデルでは、振り返りの観点を4つの象限に分けますが、今回各象限に対する解説等は、miroのテンプレートから抜粋した書き方に基づいて、くろき自身の解釈が中心となっております。あらかじめご了承ください。

今回ご紹介する4Lモデルの各象限の内容については、上記でご紹介した通りmiroのテンプレートとして記載してある内容をベースに紹介します。しかしながら、4Lの各象限の表現方法はいくつか存在しています(LOVED&LOATHEDなど)ので、ご自分がしっくりくるものを利用されることをオススメします。

ちなみに、この記事ではOJTが始まるまでのいわゆるレクチャー期間の研修を「新卒研修」と記載しています。また、実際に診断作業を現場で学ぶ期間の研修を「OJT(研修)」と記載しています。そして、それらの研修を含め、新卒メンバーの受け入れ~独り立ちまでのサポート全体を「新卒教育」と記載しています。

4Lモデルとは

miro*1振り返り用 4L モデルテンプレートより以下抜粋

4 L モデルは、スプリントの締めくくりにチームで行う活動で、うまく行ったこと、うまくいかなかったこと、改善できることについての理解を深めるために設計されたものです。4L は「Liked(好きだったこと)」「Learned(学習したこと)」「Lacked(欠けていたこと)」「Longed(希望すること)」の頭文字を表します。

スプリントの後、少し立ち止まって振り返り、起こった内容について評価することは、チームにとって生産的な活動となります。モチベーションが上がっている場合、チームでのディスカッションが感情に左右されることが度々あります。

振り返り用 4L モデルは、スプリントの感情的な要素を除外する便利なツールです。これにより、スプリントで得られたポジティブな要素が強調され、ネガティブな要素を理解することができます。そのため、感情的な視点ではなく、事実について考えられるようになります。

4Lモデルサンプル

4Lモデルについてサクッと知りたい方はこちら(4Lモデルのいいところと注意点)へ

4Lモデルを利用することになったきっかけ

2022年度の新卒教育では、各テーマごとにYWTのフレームワークを利用して振り返りを実施しておりました。 YWTフレームワークでは、「やったこと・わかったこと・つぎやること(つなげること)」を振り返ります。

その中の「つぎやること(つなげること)」は、KPT法やStar fishなどいろいろな振り返りのフレームワークに共通するもので、振り返りの目的と言っても過言ではないだろう部分です。 しかしながらこの「つぎやること(つなげること)」について、個人的になんとなく物足りなさを感じていました。

教育担当としての葛藤

定期的な振り返りの中で、教育担当である自分たちの振り返りも徐々に行うようになりました。その際は何か決まったフレームワークを利用していたわけではありません。

お互いに対話を重ね、「どうすればより良い新卒教育ができるのか」と日々課題に向き合い続けました。が、振り返りのような対話を繰り返し、少しずつ視野が広がってくると、自分たちがずっと見ていた部分以外の部分に目がいくようになりました。教育担当者としての自分たちの限界のようなものを感じ始めたのです。

  • 今年度の教育担当は本当に自分たちでよかったのだろうか?
  • 初めて教育担当をする自分たちが作成したカリキュラムは十分だったのか?

そして、それは徐々に蓄積されていきます。

YWTの「つぎやること(つなげること)」には限界があるかも…

新卒研修がそろそろ終わろうとするころ、「新卒研修総振り返り」と題して教育担当者とその関係者で行う講師側の振り返りを計画しました。 その準備をしていた私の中には「これまで利用してきたYWTフレームワークでは、わたしたちが目指す新卒教育の本質的な改善のようなものにはつながらないかもしれない」という不安がありました。

上記の「自分たちの教育担当としての限界」に向き合ったとき、同時に「わたしたちのつぎやること(つなげること)には限界がある」と気付きを得たためです。

  • 私たちの振り返りだけで終わっては、来年度以降につながらない可能性があるんじゃないか?
  • 自分たちだけでは解決が難しい本質的な課題があるのではないか?
  • 実はもっと大きな単位で(組織的に)考えるべき部分があるんじゃないか?

このまま自分たちの振り返りだけで終わっては、次の教育担当者も同様の思いを抱えるのではないだろうか?と。 わたしは、YWTフレームワークの「つぎやること(つなげること)」を超えた、わたしたちの権限の範囲外にも目が向くような振り返りのフレームワークがないか、探し始めたのです。

4Lモデルの決め手

4Lモデルは、わたしが求めていた”教育担当の権限の範囲外”に対する振り返りができるかもしれないと考え、選びました。 4Lモデルには、わたしたち実務者の権限の範囲を超えたところにある課題のようなものにフォーカスできるエリアがあります。

それは「希望すること」欄です。

YWTフレームワークの「つぎやること(つなげること)」という部分では同じ意味があるかもしれません。 しかし、「つぎやること(つなげること)」はどうしても主体が自分自身になりがちです。それはある意味、主体性を求める場においてはとても有効に働きます。ですが、今回のような場合は、自分たちが動くだけで終わっては影響の範囲が限られてしまう恐れがあるかもしれないと感じていたのです。

それに対して「希望すること」は、自分が直接解決できなくても「もっとこうだったらよいのでは?」と、自分よりもう少し広い範囲で考えることができるように感じました。

誰かに、組織等に対して 「私たちの振り返りの結果、より良くするために〇〇を希望する」と伝えられるエリアは、 まさに私が求めていたものでした。

4Lモデルのいいところと注意点

新卒教育の振り返りで4Lモデルを利用するようになって約1年が経ちました。その間、10回以上4Lモデルを利用した振り返りを実施しています。ここからは、個人的な感想としてこの1年間で4Lモデルを利用して良かったなと思う点と、注意が必要だなと思った部分をお伝えしてみようと思います。

4Lモデルのいいところ

とにかく、各象限のタイトル設定がいい!

好き!!(めちゃ個人的感覚)

では実際のタイトルを一つ一つ見ていきましょう~!

振り返り用 4L モデルテンプレートより、それぞれ書き方を抜粋しながら見ていきます。

「うまくいったこと」が書きやすい

LIKED-好きだったこと(とその理由)ー What was good?ー

何が良かったかについて書く

自由に回答してください。なぜ特定の事柄が良いと思われたのかについて根本的な理由を明らかにし、次回同じことが起こるようにします。

KPTモデルで言うと「Keep」の部分に当たりそうです。

さて、皆さん、ここで質問です。

「うまくいったこと」と言われても、書きにくくないですか?

自分は「うまくいった!」と思っていても、それがメンバーにとっては「うまくいった」状態ではない可能性もあったり…。

でも、「好きだったこと(とその理由)」と言われると、書ける気がしてきませんか?

新卒教育の中では自分の強みを発見することもとても有意義なものだと思っていますが、「強みは何ですか?」「得意なことは?」と聞かれてもこれもやっぱり書きづらい。でも「好きなことは?」と言われると、自分個人のものとしてあっさり書ける。それは、誰にアピールするものではなく、自分の好みであるからかなと推測しています。

(「うまくいったこと」が書きやすいから、)情報共有しやすい

この「好きなこと」はKPTモデルで言うと「Keep」の部分にあたると思っています。 私個人の感覚かもしれませんが、プロジェクトの振り返りでは、うまくいったことってなかなかフォーカスされにくい気がします。フォーカスされないから、埋もれてしまって、次のプロジェクトに活かされにくいことも、もしかしたらあるのかもしれません。

でも、この「うまくいったこと」を素直に共有できると、楽しくそこにフォーカスできる気がしませんか?

  • この人は、プロジェクトをこういう観点で見ていたんだな。
  • 実はこういう作業が好きだったのか!
  • この部分は自分は苦手だったけど、こういう部分をフォローしてもらってたんだな~

なんてことがあるかもしれません。

うまくいかなかったことに対しての思考アプローチがステキ

振り返りではどのフレームワークにも必ず出てくる「課題」の部分です。 4Lモデルでは「学んだこと」「欠けていたこと」と分かれています。

LEARNED-学んだことーWhat did the team learn?ー

学んだことについて書く

最も価値ある教訓の多くは、失敗から学んだことや、実際の作業を終えた時に乗り切った課題から学んだことです。 共有する学習内容に小さすぎるものはありません。

この「学んだこと」は、実際の体験から得た「気づきのようなもの」と私自身は捉えています。 「こういう状況ではこんなケースがある」のようなパターンを見つけ出すのはこのエリアに含まれると思います。 「何が悪い」とか「誰が悪い」ということではなく、例えば「Aのパターンで行動した結果、○○の結果が得られた」というような気づきです。

また、上手くいかなかったことはもちろん「最初はうまくいかなかったけど最終的にうまくいったこと」も含むのかなと勝手に思っています。 プロジェクトを進めていくと「課題はあったものの最終的にはうまくいった」ようなことは、振り返りの中で案外見落とされがちです。 しかしながら「気づきを得たために解決した」というような内容は、次のプロジェクトにつなげるべき大きなポイントです。

LACKED-欠けていたことーWhat did the team lack?ー

欠けていたことを書く

チームの前進を妨げていた全てのことを明るみにします。これは、外部チームとのコミュニケーションの遅れのような単純なものから、さらなる分析をして明らかにしなければならないような、もっと複雑なものかもしれません。 この目的は、今後のスプリントで同じ問題に遭遇しないようにすることです。

KPTモデルで言うと「Problem」の部分にあたります。

欠けていたことは、一見プロジェクトにおける問題そのもののような気がするかもしれません。しかしこちらも「〇〇が問題」と決めるアプローチではなく、視点としては「○○が欠けていたから△△(問題)が生じた」「○○があればうまくいったと思う」等、改善に目が向くような表現になっています。 個人的に問題を問題として振り返るのではなく、「問題に対してその発生の背景に目が行く」「問題に対して改善策としてはこのようなものがあるよ」という構成になっているように感じています。 みなさんも「問題の原因は何か?」と問われるよりも「欠けていた部分は何だった?」「何があったらこの部分うまくいってたかな?」と問われるとちょっとニュアンスが違って聞こえてきませんか?

これは、実際に振り返りをする際に大きな視点の転換になってくれていると思います。 「これができていない!」という内容は、実際その当事者に大きなストレスを与えることになりかねませんが、「こういうものが足りていなかったために発生した問題かも…」と思考転換できることは、本質的な問題に素直に向かい合う”心の余裕”を与えてくれるように思います。

さらに、場合によっては課題の本質を改善できるような内容が当てはまることがあるかもしれません。 それは個人の抱える課題だけではなく、プロジェクト全体で欠けていたことなども含まれるはずです。

新卒研修で言えば「個人のスキルが足りない」こともあれば、「スキルが足りないと感じるメンバーへのフォローや教育計画が足りていなかった」みたいなものもあるかもしれませんし、「フォロー体制を整備するリソース調整が足りていなかった」場合もあるかもしれません。

自分でどうにもならないことに対しても視点が向く(より大きな視点での改善)

上部でも記載した通り、わたしが4Lモデルを採用しようと思った一番大きな理由は「Longed(希望すること)」があったからです。

LONGED FOR-希望することーWhat did the team long for?ー

希望することについて書く

「希望すること」について意見交換を行うためです。これには「より良い設備」のような具体的なものや「リーダーによる関与の度合い」のような、あまり具体的ではないものなどが含まれます。

ただし、「希望すること」のセクションは、単に欠けていたことを反映するものではないことに注意しましょう。

似たものになることは多いですが、「希望することのセクションは、それがもたらすポジティブな影響をふまえて、必要なものを判断し優先付けする機会を与えてくれます。例えば、「欠けていたこと」のセクションに「高速のコンピューター」が挙げられている場合、「高速のコンピューター」は、必ずしもここでのステップに追加する唯一の項目ではありません。「欠けていたもの」を解決する方法として「高速のインターネット」や「優れたソフトウェア」を含めることも考えられます。

当初のYWTのフレームワークでの振り返りでは、教育担当メンバーふたりで

  • 次はどうすればよいか?
  • わたしには何ができるか?
  • 明日から何をやってみようか?

などを話していました。そのすべては、わたしたち自身でできることに限定されていました。しかし、それはある意味「自分たちでどうにかできることにしか視点が向いてなかった」状態であったと思います。

個人的な感覚かもしれませんが、KPTのTryやYWTのつぎやること・次につなげることは、「個人の行動を求められている」印象が強かったのです。

ただ、振り返りを繰り返していくうちに、わたしが次にトライしてみること・やるべきことだけでは、解決しないだろう大きな問題はどうしたらいいのか?そんな疑問は徐々に大きくなっていったのです。

4Lモデルにおける「希望すること」は、「わたしたち当事者ではどうにもならないことに対しても視点が向く」象限です。それは、これまでの私たち教育担当の思考の枠を超えたもののように思えました。

必要なアクションを俯瞰的に考えられる

フォローアップ計画またはアクション

※こちらは、4象限のあとに話し合うセクションです。

フォローアップやアクションを決める

ふりかえりのプロセスで最も重要なステップです。 ふりかえりを終える前に、次のステップの担当者を募りましょう。担当者になる人が見つからないフォローアップステップには、ふりかえりセッション中に、インサイトを明確にする上で最も責任のある人に割り当てましょう。

ここでは、ほかのフレームワークと同様に「今後どうしていくのか」というアクションを中心に決めていきます。KPTモデルで言うと「Try」の部分にあたります。

一見、同じようなものに見えますが、4Lモデルの「フォローアップ計画またはアクション」は、メンバーや組織にとって必要なアクションを俯瞰的に考えることができます。

KPTなどのフレームワークだと「じゃあ私はこれやります・次からこうします」という自分視点の宣言をする印象が強いですが、4Lモデルの「フォローアップ計画またはアクション」だと、直前で「希望すること」について話しているため、"「自分以外のメンバーに対してリクエストする」など、アクションのボールを渡しやすい状況"が作れます。

(4象限を参考に)課題以外にも目がいく

さらに、これまでに紹介した上記4象限が充実していると、アクションを決める際、以下のような意識が働きます。

  • 好きだったことを定着させるためのアクション
  • 学んだことを活かすためのアクション
  • 欠けていたことを改善するためのアクション
  • 希望することに対応するアクション

それぞれの観点から、より重要度の高そうなものを順に選んでいけるので、”課題ばかりではなくうまくいった点にも目がいきやすい”状況が作れます。

4Lモデル利用時の注意点

個人的にはとってもお気に入りの4Lモデルなのですが、場合によっては注意が必要になるかもしれません。ぜひ合わせて以下の注意点も確認してください。

振り返りに時間がかかる場合がある

4Lモデルの名前の通り、4象限の記載とそれぞれに対する対話が必要になります。更に、次につながるアクションの決定まで行うため、参加者が多ければ多いほど、また内容が熱いものになればなるほど時間がかかりやすくなります。まあ、当然と言えば当然ですよね。

現状、SST内で4Lモデルを使った振り返りを行う場合は、参加メンバーに対して「事前にそれぞれ4象限を記載しておいてほしい」と案内をしています。振り返り当日は、記載の時間を減らして、対話から始められるようにするためです。

2023年の新卒教育では、各テーマのスタート時に4Lモデルを用意し、各象限の説明をした上で、「研修期間中にそれぞれの象限に随時記載してもOK」と伝えて、事前に記載をしてもらっておりました。

事前の意識共有が不足すると4象限の記載に戸惑う

YWTやKPTのフレームワークに慣れていると、4Lモデルの4象限のタイトルを見て「どこに何を書けばよいのか」迷う場合があるかもしれません。

実は、このブログを紹介したいと思ったきっかけの一つはここにありまして…。 私自身が4Lモデルを使った振り返りを実施する際に、実際につまずいた部分なのです。笑

メンバーが記載する内容は、それぞれが「4象限をどのように理解しているか」にかかっています。そのため、各象限に対して共通の認識がない状態で記載を進めようとしても、振り返った結果「どの欄になにを書けばよいのか迷う」状況が発生してしまう可能性があります。特に「学んだこと」と「欠けていたこと」はある種「課題を分類すること」につながるため、認識の齟齬が発生しやすいかもしれません。

新卒研修の振り返りでも、ココはなかなか伝えきれない部分だったりします(わたしの力不足…!)。今後、この記事が役に立ってくれることを祈るばかりです>_<

個人の成長機会を逃す可能性あり(!重要!

4Lモデルのいいところとしてあげた「希望すること」欄ですが、逆に「自分事」としての振り返りを阻害する可能性があります。 例えば、主体的な動きを求めるようなプロジェクトの場合、当然ながら、その振り返りもまた主体的であってほしい状況になると思います。

「何か問題が起こっても、そのチーム内ですべて完結させてほしい」

そのような場合は、4Lモデルの「希望すること」がない状況のほうが好ましいかもしれません。

ただし、「4Lモデルを使うこと=主体的ではない」ということではないとも思っています。 今回の私たちの場合のように、「自分たちだけで留めておくべき課題ではない」ケースなどを、リーダーへ向けて振り返りの共有および要望をすることはある意味主体的な動きの一つだと認識しているためです。

(小声で)ちなみに、今回わたしは要望等を受け止めてくれるリーダー陣がいる前提で書いてますが、「それ、うちじゃ難しいよ」という場合は、そもそも4Lモデルを使う意味がないかもしれません。

※この観点は、特に利用するメンバーとも話し合ってフレームワークを選択してほしいと思っています。

振り返りのメンバーが不足すると効果は半減の可能性も(!ココも重要!

「振り返りのメンバー不足」これは、振り返りの人数の話ではありません。参加するメンバーの権限や管理対象範囲の話です。振り返りの参加メンバーが権限を持たないメンバーばかりの場合、4Lモデルにおける「希望すること」が有効に活用されないということです。

例えば、「一般メンバーのみが参加する」場合、「希望すること」にいくら重要で有効な対応策を書こうとも、それを実行できる権限がなければそこで終わりです Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン。

4Lモデルの良さを十分に感じることはできないでしょう。

そのため、4Lモデルを使った振り返りを実施する際には、最低限「一般のメンバーより上位の権限を持つメンバーに最低一人は参加してもらうこと」を推奨します!

ちなみに、2022年の新卒教育の総振り返りでは、教育担当者の直属のリーダー・その上の部長・人事(採用)担当者に参加してもらいました!教育担当としてのありったけの思いを熱く熱くお伝えしたつもりです!!!

もし、どうしても権限を持つメンバーの参加が難しい場合は

振り返りの前に「振り返りの結果、あなたにリクエストをする可能性があります。承諾いただけますか?」と交渉しておくとよいかもしれません。

ただ、個人的には、そのリクエスト(希望すること)を伝えても、そのまま進行しない可能性も十分考えられます。ですので、できるだけ振り返りに参加してもらい、背景を含めてリクエスト(希望すること)の内容を理解してもらえるようにしたほうが効果は高いと思います。

(小声で2回目)ちなみに、今回わたしは要望等を受け止めてくれるリーダー陣がいる前提で書いてますが、「それ、うちじゃ難しいよ」という場合は、そもそも4Lモデルを使う意味がないかもしれません。その場合は、まあ、別のアプローチを考えることをお勧めします…

(miroのテンプレートを利用する場合)アクション欄がない

実は、miroの4Lモデルのテンプレートには、「フォローアップ計画またはアクション」の欄が用意されていません。そのため、SSTの新卒研修の振り返りでは、「フォローアップ計画またはアクション」の欄を追加で入れ込むことにしました。

フォローアップ計画及びアクションプラン

4象限とともにフォーマットとして入れ込むことで、参加者全員が「振り返りの時間内に絶対にここまで埋める」という共通認識を持てるようになります。

フォローアップ計画またはアクションをフォーマットに

まとめ

4Lモデルを利用してみての感想

今回、この記事を書くにあたり、改めて当時の4Lモデルを見返してみたんですが、 そこでまず思ったことは「やっぱり教育担当だけで振り返らなくてよかった」ってことでした。

教育担当者っていわば教育の現場の人なんですよね。なので、そればっかりやってると、ホントにいろんなものを見落としがちだったりします。「そこしか見えてない」みたいな…。

今回の記事の大部分で、4Lモデルを利用することで、わたしたち教育担当者の思いをリーダーなどに共有したり、課題に対してリクエストしたりすることで、より大きな視点で組織の強化に貢献するというのはすでにお伝えしました。が、実はそれだけではなかったな~と。

4Lモデルの振り返りでは、一般のメンバーより上位の権限を持つメンバーに参加してもらいましょう!と前述しましたが、これはリクエストを叶えてもらうこと以外にも実は大きな効果がありました。

上位の権限を持つメンバーに参加してもらうことで、リーダーや責任者の視点、人事担当者の視点など、普段とは違う”業務ではなかなか得られない視点”を学ぶこともできます。

実際に、上位の権限を持つメンバーが「希望すること」に記載した内容を読んで、「それは〇〇するよりも、こうしたほうがよりいいんじゃない?」と提案してくれることも多々あります。実際「それができるなら、その方がいいです!」となることも…笑

まあ、つまり「そういうメンバー間のコミュニケーションの一つにもなるよ」っていう、さらなる4Lモデル推しです。

(誰も求めてないかもしれないけど)新卒教育の感想

一言で言うと、新卒教育だけでなく、

「教育」ってすごーく奥が深いな~

って感じがしてます!(言語化っ!笑)

もちろん、今も試行錯誤中ではあるので、そのうち「新卒教育をふりかえって」みたいな記事も書けるといいなとは思ってます。まあ、その一端として、4Lモデルを利用するに至った経緯を熱く語りすぎた感は、自覚しています。。笑

(4Lモデルでなくとも)振り返りは重要!

忙しい日々に追われると、終わってしまったプロジェクトに目を向ける時間が十分に取れないかもしれません。しかし、初めてのプロジェクトであろうとなかろうと、振り返りから得られるものはとてもとても大きいと思っています。

特に試行錯誤を繰り返したプロジェクトは「うまくいってなさそうなことをうまくいくよう」その都度現場で動いたはずです。そのため「試行錯誤の結果が実際にどんな効果をもたらしたのか」リアルタイムで分かっている状態でもあり、うまくいった施策、うまくいかなかった施策を整理するための振り返り作業はより重要度が高いものとなります。

今回の私のように、参加したプロジェクトで「試行錯誤したな〜」と感じた場合は、より一層振り返り作業に力を入れてみてはいかがでしょうか。

最後に

振り返ってみると個人的な意見を多分に含んだ記事となってしまいました (ある意味この記事は私個人の振り返りみたいになっちゃいました…)。

振り返りの手法はいろいろありますが、記事を読んでくださった皆さんが、4Lモデルのいいところと注意点、どちらも理解した上で「こんな振り返りのフレームワークもあるのか」と思っていただければ幸いです。また、実際の振り返りを行う際に、使いどころがイメージできているととっても嬉しいです。

私自身も、社内での4Lモデルの普及に努めます!!

ここまでの長文、頑張って読んでくださりありがとうございます!笑

*1:Miroは、"Miro.com" が開発したオンラインホワイトボードソフトウェアである。https://miro.com/ja/